デジタル金融の進化:ペッグ制度からステーブルコイン、そしてトークン化ファンドへ
現代の経済システムは、デジタル化の流れの中で形を変え続けています。その中で「ペッグ」という考え方は、価値を安定させるための仕組みとして、為替制度から暗号資産、さらにはトークン化ファンドに至るまで、姿を変えながら受け継がれてきました。固定相場制としてのペッグ制度、ブロックチェーン上で法定通貨などに価値を連動させるステーブルコイン、そして従来のファンドをトークンとして扱うトークン化ファンドは、いずれも「価値をどう安定的かつ効率的に扱うか」という問いに対する、時代ごとの回答と言えます。
この記事では、為替制度の中で育まれたペッグ制度がどのように機能してきたのかをたどり、その発想がステーブルコインやトークン化ファンドといった新しいデジタル金融の仕組みにどのようにつながっているのかを整理していきます。
ペッグ制度:価値を固定する仕組み
経済システムにおける自国通貨の価値は、その国の貿易、投資、家計や企業の行動に大きく影響します。その通貨の価値を特定の基準に結びつけて安定させようとする仕組みが「ペッグ制度」、一般には「固定相場制」と呼ばれます。自国通貨の為替レートを、米ドルといった基軸通貨や複数通貨のバスケット、あるいは歴史的には金といった資産に結び付けることで、意図的に為替レートを管理します。
為替レートがある程度読めるようになると、国際取引を行う企業は将来の収益やコストを見通しやすくなり、長期契約や投資判断がしやすくなります。こうした予測可能性が、貿易と投資を後押しし、マクロ経済全体の安定にもつながります。
第二次世界大戦後に構築された「ブレトンウッズ体制」は、ペッグ制度が世界規模で採用された代表例です。1944年の合意に基づき、多くの国は自国通貨を米ドルにペッグし、その米ドルは1オンス=35ドルで金と交換できることが約束されました。この仕組みは、しばらくの間、世界経済の安定に大きく寄与しました。
しかし、1960年代後半から米国の財政赤字・貿易赤字が拡大し、米ドルの信認が揺らぎます。1971年の「ニクソン・ショック」によるドルと金の兌換停止をきっかけに、ブレトンウッズ体制は崩壊しました。その後は、ペッグ制度もより柔軟な形に変わっていきます。例えば、インフレ率や政策目標に合わせて為替レートを段階的に調整する「クローリング・ペッグ」や、複数通貨の組み合わせでレートを管理する「通貨バスケットペッグ」などが採用されるようになりました。
現在のペッグ制度には、為替レートをほぼ固定する「ハードペッグ」と、一定の変動幅の中で管理する「ソフトペッグ」があります。ハードペッグの代表例が、香港ドルのカレンシーボード制です。ここでは、香港金融管理局が発行する香港ドルに対応する外貨準備、主に米ドルを十分に持つことが求められ、為替レートが決められた範囲から大きく外れないように介入を続けます。発行通貨量と外貨準備を厳格に結びつけることで、高い信頼性を維持しようとする仕組みです。
一方、ソフトペッグでは、ある程度の変動を認めながら、必要に応じて介入や金利操作を行い、為替と金融政策のバランスを取ろうとします。いずれの形態でも、中央銀行は大量の外貨準備を用いて市場に介入し、自国通貨レートが目標から大きくずれないように調整を続けます。
ペッグ制度の利点は、為替変動リスクの低減を通じた国際取引の安定と、経済の予測可能性の向上です。その一方で、自国の金融政策の自由度が制約されやすいという弱点があります。通貨価値を外部の基準に固定するということは、国内景気に合わせて金利を自由に上下させることが難しくなることを意味します。外部ショックが起きた際にも、ペッグ維持を優先せざるを得ないため、国内経済にとって最適な対応が取りにくい場面も生じます。
さらに、市場が考える適正レートと固定レートの間に大きなずれが生じると、通貨は投機的な攻撃の対象になりやすくなります。十分な外貨準備がないまま防衛を続けると、大量の資本流出や通貨危機に発展するおそれがあります。1997年のアジア通貨危機でのタイ・バーツの切り下げは、その典型的な例の一つです。ペッグ制度は「安定のための制度」でありながら、その運用には精緻な判断と継続的な対応が求められる、扱いの難しい仕組みでもあります。
ステーブルコイン:デジタル資産の価値を安定させる技術
2009年のビットコイン誕生以降、暗号資産はブロックチェーン技術と非中央集権的な仕組みによって、新しいお金の形として注目されてきました。ただし、価格が大きく上下しやすいという特徴は、日常的な決済や安定的な価値保全の手段としては使いにくいという問題も抱えています。
この課題に応える形で登場したのが「ステーブルコイン」です。ステーブルコインは、その名の通り価値の安定を目指して設計された暗号資産で、米ドルやユーロなどの法定通貨、金などのコモディティ、あるいは他の資産の価値に連動するようにつくられています。価格変動が比較的小さいため、デジタル上の決済手段としても、分散型金融(DeFi)における基盤通貨としても利用しやすく、Web3の経済圏全体を支えるインフラへと育ちつつあります。
ステーブルコインの安定性を支える仕組みは、大きく三つに分けられます。
一つ目は「法定通貨担保型(Fiat-backed)」です。Tether(USDT)やUSD Coin(USDC)など、現在主流となっているステーブルコインが採用している方式です。このモデルでは、発行事業者が銀行預金や短期国債などの形で米ドルなどの資産を保有し、その準備資産に見合った数量のトークンを発行します。準備金の内容や運用の透明性が常に問われるものの、構造が分かりやすく、法定通貨に1対1で連動させやすいことから、市場全体のかなりの割合を占めています。最新の分析では、法定通貨を裏付けとするステーブルコインが発行残高の約9割前後を占めているとされています。
二つ目は「暗号資産担保型(Crypto-collateralized)」です。代表例は、分散型自律組織(DAO)が運営するMakerDAOのDAIです。この方式では、イーサリアム(ETH)などの暗号資産をスマートコントラクトに預け入れ、過剰な担保を積んだうえでステーブルコインを発行します。例えば、一定量のDAIを発行するために、その1.5倍以上の価値のETHをロックする、といった形です。担保価値が下落したときには自動清算が行われるなど、プログラムが価格維持を制御します。中央管理者に依存しにくい一方で、担保資産の価格急落リスクやスマートコントラクトのバグといった固有のリスクも無視できません。
三つ目が「アルゴリズム型」です。こちらは特定の担保資産を持たず、需要と供給に応じてトークンの発行・焼却を行うことで、価格を一定に保とうとする仕組みです。理想的には、市場の需給を自動調整することで1ドル=1トークンといったレートを維持しようとしますが、現実にはその難しさが露わになりました。象徴的な事例が、2022年5月に起きたTerraUSD(UST)の崩壊です。USTは姉妹トークンLUNAとの相互変換によってペッグ維持を目指していましたが、大量の売り圧力がかかった際に設計が破綻し、「デススパイラル」と呼ばれる連鎖的な暴落を起こしました。このケースは、アルゴリズム型ステーブルコインの設計上の脆弱性と、担保を持たない仕組みの難しさを強く印象づけました。
ステーブルコイン市場全体は、ここ数年で急速に拡大してきました。2022年ごろには時価総額が約1,800億ドルに達し、その後も増減を経ながら、2025年には2,500億ドル前後と、過去最高水準を更新しています。取引量や決済への利用も増え続けており、従来のカードネットワークに匹敵する規模に近づいているとの分析も出ています。
他方で、その存在感の高まりに応じて、世界各国の規制当局による監督も強まっています。米国では、2022年にStablecoin TRUST Actが連邦議会に提出され、その後も複数の法案が検討されてきました。2025年には「GENIUS法」が成立し、準備金の安全性や開示、発行主体の監督に関する包括的な枠組みが整いつつあります。
欧州連合ではMiCA(Markets in Crypto-Assets)規制が段階的に施行され、2024年6月以降、ステーブルコインに相当する「eマネートークン」や「資産参照トークン」に対して、1対1の準備資産の保有や定期的な開示などが義務付けられました。日本でも、2022年の資金決済法改正により、いわゆる「ステーブルコイン」が電子決済手段として法的に位置づけられ、発行者の登録や利用者保護、マネーロンダリング対策などのルールが整備されています。
こうした規制の背景には、通貨主権への影響、金融システム全体の安定性、マネーロンダリングや不正利用のリスク、スマートコントラクトの脆弱性など、解決すべき論点が多く存在することがあります。一方で、適切な規制と透明性が確保されれば、ステーブルコインは国際送金の効率化やDeFiの基盤、企業間決済の高速化など、既存の金融システムにとっても有用なインフラとして定着していくと考えられます。
トークン化ファンド:資産運用の未来を拓くブロックチェーンの力
従来、投資信託やヘッジファンドなどの金融商品は、証券会社や銀行を通じて、所定の受付時間内に注文し、まとまった金額を投資するのが一般的でした。口座開設や本人確認、書類のやり取りにも時間がかかり、最低投資額も決して低くはありませんでした。
ブロックチェーン技術は、こうした前提を少しずつ変えようとしています。「トークン化ファンド」と呼ばれる形態は、その象徴的な例です。トークン化ファンドとは、不動産ファンド、債券ファンド、株式ファンド、マネー・マーケット・ファンド(MMF)など、従来のファンドの持つ持分や権利を、ブロックチェーン上のトークンとして発行・記録する仕組みです。
ファンド持分をトークンとして扱うことで、1口をさらに細かい単位に分けて保有することが可能になります。これにより、これまで一部の機関投資家や富裕層だけがアクセスできていた商品にも、少額から参加できる余地が生まれます。こうした細分化は「フラクショナリゼーション」と呼ばれ、投資のハードルを下げ、資産形成の機会を広げる可能性があります。
トークン化ファンドを支えているのが、「分散台帳技術(DLT)」と「スマートコントラクト」です。分散台帳は、資産の所有権や取引履歴をネットワーク上の複数ノードが共有する仕組みで、一度記録された情報を改ざんしにくい特徴があります。スマートコントラクトは、あらかじめ決めた条件に応じて自動的に実行されるプログラムで、配当や償還、手数料の支払いなど、ファンド運用に伴うルールをコードとして組み込めます。
これらを組み合わせることで、例えば「一定期日に利息を自動的にトークンホルダーに分配する」「保有期間に応じて利回り条件を変える」「所定の条件を満たしたときだけ売買を成立させる」といった処理を、人手を介さずに行えるようになります。決済や記録、権利移転が一体化することで、事務コストや決済にかかる時間を大きく減らすことも期待されています。
特に、MMFのような短期金融商品をトークン化する動きはここ数年で加速しています。MMFは短期国債などを中心に運用し、比較的安全性の高い利回りと高い流動性を両立させた商品ですが、これをオンチェーン化することで、24時間いつでもほぼリアルタイムに購入・解約ができるようになります。
実際に、米ドル建てのMMFや短期国債に投資するファンドをトークン化した事例が増えており、2025年にはトークン化された米国債関連商品だけで、合計8〜9億ドル規模に達しているとの推計もあります。トークン化されたMMFや国債ファンドは、DeFiプロトコルや取引所で担保として利用されたり、企業の余剰資金運用の受け皿になったりし始めています。
日本やアジアでも、トークン化ファンドへの関心が高まっています。円建てステーブルコインと連動したMMFトークンの実証実験や、シンガポールや香港での国債・社債のトークン化プロジェクトが進んでいます。世界全体で見ると、トークン化されたリアルワールドアセット(RWA)の市場規模は、2025年時点で数十億〜数十億ドル台から、すでに300億ドル前後に達しているとの推計もあり、年々拡大しています。
こうしたトークン化の流れは、不動産、美術品、未公開株式、排出権クレジット、音楽の著作権、ゲーム内アイテムなど、もともと流動性が低かった資産にも広がりつつあります。ファンドの形に組成したうえでトークン化することで、従来は売買が難しかった資産でも、より頻繁に、より小さな単位で取引できるようになる可能性があります。
一方で、トークン化ファンドの普及には、法制度や税制といった面での課題が残っています。証券としての位置づけ、トークン保有者の権利範囲、スマートコントラクトの法的な扱い、国境をまたぐ場合の準拠法など、整理すべき論点は多くあります。また、サイバー攻撃や鍵の紛失など、デジタル固有のリスクも前提にしたリスク管理が必要です。
こうした課題を一つずつクリアしていくことができれば、トークン化ファンドは、既存のファンドビジネスに並ぶもう一つの標準インフラとして、資産運用の風景を変えていくと考えられます。
デジタル金融の未来:ペッグ、ステーブルコイン、トークン化ファンドの役割
ここまで見てきたように、ペッグ制度、ステーブルコイン、トークン化ファンドは、それぞれ異なる文脈で登場しながら、「価値を安定させ、効率的に移転・運用する」という共通のテーマを持っています。
ペッグ制度は、国家レベルで為替を安定させるための仕組みとして発展し、貿易や投資を支えてきました。ステーブルコインは、その考え方をブロックチェーン上に持ち込み、デジタル上で法定通貨のように振る舞うトークンを実現しました。トークン化ファンドは、資産運用の世界に同じ発想を持ち込んだものと言えます。
ステーブルコインの時価総額は、すでに数千億ドル規模に達し、その多くが米ドルなど法定通貨にペッグされています。トークン化された国債やMMFも、数十億ドル規模まで伸びており、その成長スピードから見て、今後さらに拡大していくと考えられます。大手金融機関が独自のブロックチェーンベースの決済ネットワークやトークン化商品を展開し始めていることも、この流れを後押ししています。
これからのポイントは、個々の技術や商品というよりも、それらがどのように組み合わさっていくかです。例えば、各国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)が普及すれば、それ自体が新たな「ペッグの基準」となり、ステーブルコインやトークン化ファンドがその上に重なる構造も考えられます。CBDCと民間ステーブルコイン、トークン化された国債やMMFが組み合わさることで、24時間リアルタイムで動く資金フローと、きめ細かな運用が同時に実現される可能性があります。
同時に、規制やガバナンスの設計も重要になります。ステーブルコインは、準備金の透明性、スマートコントラクトの安全性、マネーロンダリング防止など、多くの論点を抱えています。トークン化ファンドは、証券法や投資家保護の枠組みとどのように整合させるかが問われます。これらの課題に対応しつつ、過度な規制によってイノベーションの余地を狭めないことも求められます。
デジタル金融の世界は、技術と制度の両方が同時進行で変化している分野です。その変化の中身を丁寧に追いかけることができれば、単なるバズワードとしてではなく、「ペッグ」「ステーブルコイン」「トークン化ファンド」がそれぞれどのような役割を持ち、どのようなリスクと可能性を抱えているのかを、落ち着いて見極めることができるようになります。
金融の歴史は、制度と技術が折り重なりながら更新されてきた歴史でもあります。デジタル金融の現在進行形の変化は、その次の章にあたるものです。仕組みを理解しながら眺めていくことで、自分にとって意味のある付き合い方を選びやすくなっていきます。
FAQ
Q: ペッグ制度とは具体的にどのような仕組みで、なぜ重要なのでしょうか?
ペッグ制度(固定相場制)は、自国通貨の為替レートを米ドルや金など、特定の基準に結び付けて管理する仕組みです。企業は将来の為替レートをある程度見通せるようになり、輸出入や投資の計画を立てやすくなります。その結果、国際貿易や投資が安定し、マクロ経済全体の予測可能性が高まりやすくなるため、多くの国が一定期間この制度を採用してきました。
Q: ステーブルコインにはどのような種類があり、それぞれ何が違うのですか?
ステーブルコインは、主に三つのタイプに分けられます。
一つ目は、法定通貨を準備金として保有し、その分だけトークンを発行する「法定通貨担保型」です。二つ目は、イーサリアムなど他の暗号資産を担保として預け、その上にステーブルコインを発行する「暗号資産担保型」です。三つ目は、特定の担保を持たず、需要と供給を調整するアルゴリズムで価格を安定させようとする「アルゴリズム型」です。実務的には、法定通貨担保型が大きなシェアを占めており、アルゴリズム型は過去の破綻事例から慎重に見られています。
Q: トークン化ファンドは、従来の投資と比べてどのようなメリットがありますか?
トークン化ファンドでは、従来のファンド持分を、さらに小さな単位のトークンとして保有できるようになります。これにより、少額からの投資がしやすくなり、従来アクセスしづらかった商品にも入りやすくなります。また、ブロックチェーン上で権利移転や決済が行われるため、取引の透明性が高まり、決済や記録のための事務コストを減らせる可能性があります。決済時間も短くなりやすく、24時間いつでも売買ができる設計も取りやすくなります。
Q: ペッグ制度のデメリットとしてはどのようなものがありますか?
最大のデメリットは、自国の金融政策の自由度が狭くなりやすいことです。為替レートを維持するために金利や市場介入を調整する必要があり、国内の景気状況に合わせて柔軟に金融政策を行う余地が小さくなることがあります。また、市場が考える適正レートと固定レートが大きくずれた場合、そのギャップを狙った投機的な動きが発生し、大規模な資本流出や通貨危機を起こすおそれもあります。
Q: ステーブルコインが既存の金融システムに与える潜在的な影響と、その規制の必要性について教えてください。
ステーブルコインは、国際送金のコストと時間を大きく下げたり、DeFiの基盤通貨として新しい金融サービスを生み出したりする可能性があります。一方で、発行残高が増え、既存の金融市場と結びつきが強まるほど、準備金の運用や信認の低下が金融システム全体に波及するリスクも大きくなります。そのため、準備金の安全性と透明性、監査体制、マネーロンダリング対策、スマートコントラクトの安全性などについて、各国の規制当局が基準を定め、継続的に監督する必要があると考えられています。
Q: トークン化ファンドは、どのような種類の資産を対象にすることができますか?
基本的には、従来ファンドとして組成されてきた資産は、ほとんどトークン化の対象になり得ます。株式、債券、不動産、MMFなどの伝統的な資産に加えて、美術品や未公開株式、排出権クレジット、音楽著作権、ゲーム内アイテムといった、これまで流動性が低かった資産も対象になります。実際には、法制度や投資家保護の観点から、どのような形でトークン化できるかが個別に検討されている段階です。
Q: ステーブルコインとトークン化ファンドは、どのように連携してデジタル金融の未来を形づくっていくと考えられますか?
ステーブルコインがデジタル経済圏の中で安定した「決済用の通貨」として機能し、トークン化ファンドが「運用先」として機能する、という分担が見えつつあります。例えば、企業や個人がステーブルコインで資金を保有し、その一部をトークン化されたMMFや国債ファンドに即座に振り替えて利回りを得る、といった運用が技術的には可能です。これにより、資金は必要なときには即座に決済に使え、使わない時間は自動的に運用に回す、といった設計も現実味を帯びてきます。
アクティブリコール
基本理解問題
- 通貨の為替レートを特定の基準に固定する制度を何と呼びますか?
答え:ペッグ制度(固定相場制) - 価格変動の激しい暗号資産の価値を安定させることを目指して設計されたデジタル資産の総称は何ですか?
答え:ステーブルコイン - 従来の投資ファンドの価値や、それに伴う権利をブロックチェーン上のデジタルなトークンとして発行・流通させる新たな資産運用形態を何と呼びますか?
答え:トークン化ファンド - ステーブルコインの安定性を実現するメカニズムで、米ドルやユーロなどの法定通貨を預金口座や短期国債として保有し、それに見合った量のステーブルコインを発行するタイプは何と呼ばれますか?
答え:法定通貨担保型(Fiat-backed)
応用問題
- 第二次世界大戦後の世界経済秩序を再構築し、多くの国が自国通貨を米ドルにペッグし、その米ドルが金に兌換可能とされた体制の名称は何でしたか?
答え:ブレトンウッズ体制 - 香港ドルが米ドルに厳格にペッグされている制度の代表例であり、中央銀行が発行通貨量と同等かそれ以上の外貨準備高を維持し、市場介入を通じて為替レートを厳格に保つ制度は何と呼ばれますか?
答え:カレンシーボード制 - アルゴリズム型ステーブルコインの設計で、担保を持たずに需要と供給のアルゴリズムによってコインの供給量を自動的に調整し、価格安定を図ろうとする仕組みは何と呼ばれますか?また、その代表的な失敗事例は何でしたか?
答え:アルゴリズム型ステーブルコイン。代表的な失敗事例はTerraUSD(UST)の崩壊。 - トークン化ファンドにおいて、資産の所有権や取引履歴を中央管理者を介さずにネットワーク参加者全員で共有し、改ざんしにくい形で記録することを可能にする技術的基盤は何ですか?
答え:分散台帳技術(DLT)
批判的思考問題
- ペッグ制度が自国の金融政策の自由度を制約する一方で、国際貿易と投資の安定を促進するメカニズムについて、そのトレードオフ関係を具体的に説明してください。
- トークン化ファンドにおけるフラクショナリゼーション(細分化)の概念が、これまでの金融市場にどのような変化をもたらし、特にどのような人々にとって恩恵となる可能性を秘めているかを、自分の言葉で整理してみてください。
- ステーブルコインの健全な発展と持続可能性を確保するために、規制当局が特に重視すべき課題は何だと考えられますか。その理由も含めて説明してみてください。
参考
- Are Stablecoins the New Money Market Funds?
- Stablecoins’ market cap surges to record high as US senate passes bill
- The Impact of Stablecoins and Digital Assets in the U.S.
- What are stablecoins, and how are they regulated?
- Stablecoins: A Deep Dive into Valuation and Depegging
- Stablecoins – Modernizing financial infrastructure
- The Death Spiral: How Terra’s Algorithmic Stablecoin Came Crashing Down
- AN EVENT STUDY ON THE MAY 2022 STABLECOIN MARKET CRASH
- Regulating crypto-assets in Europe: practical guide to MiCA
- The EU’s crypto regulation MiCA is now fully applicable
- FSA Weekly Review No.540 June 8, 2023
- Stablecoins under Japan’s amended Payment Services Act
- S.5340 – Stablecoin TRUST Act of 2022
- Stablecoins: How the GENIUS Act Strengthens US Geopolitical Power
- Tokenized Treasuries cross $8.6B as banks and exchanges push collateral use
- Tokenized U.S. Treasury Market Value Reaches $8.6 Billion by Late October
- Tokenised money market funds: what are the implications for financial stability?
- Tokenised Money Market Funds: BIS Bulletin No.115
- Asset Tokenization 101: Everything you should know
- Tokenization of Real-World Assets: Opportunities, Challenges and the Path Ahead
- Q3 2025 Real World Asset Tokenization Market Report
- RWA.xyz Global Market Overview
- BlackRock Launches Its First Tokenized Fund, BUIDL, on the Ethereum Network
- BlackRock’s BUIDL, Tokenized by Securitize
- BlackRock Expands BUIDL to Solana as Tokenized Fund Surpasses $1.7 Billion
- JPM Coin
- The stable door opens: How tokenized cash enables next-gen payments
- Bank of Japan Review: Deposit Tokenization
- Innovation, Supervision and Partnerships: Priorities in a changing landscape

小学生のとき真冬の釣り堀に続けて2回落ちたことがあります。釣れた魚の数より落ちた回数の方が多いです。
テクノロジーの発展によってわたしたち個人の創作活動の幅と深さがどういった過程をたどって拡がり、それが世の中にどんな変化をもたらすのか、ということについて興味があって文章を書いています。その延長で個人創作者をサポートする活動をおこなっています。