AIへの返事は、どこまで省略できるのか
AIとやり取りしていると、よくある返事や指示は省略したくなる。ただ、どこまで略していいのかよくわからない。
「ok」は「k」でいいのか。
「yes」は「y」でも通じるのか。
「やりましょうか?」と聞かれて「pls」とだけ返したら、それは同意としてちゃんと伝わるのか。
最初はAIに対して、すごく丁寧に返事していて、なんなら挨拶や時候の挨拶までしていたのだが、使えば使うほど、AIとの会話は「文章」ではなく「操作」に近づいてきている。そして操作だと感じた瞬間、できるだけ省略したくなる。
結論から言えば、多くの省略はすでに通じる。
ok、yes、no、stop、cancel。
これらは、もはや説明不要の操作指示語だ。装飾はいらない。それだけ返事してもAIは気分を害さない。
AIは相手の意図を推測する装置なので、短い入力でも文脈が狭ければ問題なく解釈する。
そのまま使える、AIへの短い操作指示語
まず、定義しなくてもほぼ確実に通じるものがある。
これは事実上の共通語彙だ。
同意・否定・中断
| 指示語 | 意味 |
|---|---|
| ok / k | 同意 |
| yes / y | 同意 |
| no / n | 否定 |
| go ahead | 続行 |
| stop | 即時停止 |
| cancel | 中止 |
依頼・実行許可
| 指示語 | 意味 |
|---|---|
| pls / plz | お願い(直前の提案への同意) |
| do it / doit | 実行 |
| proceed | 実行 |
これらは定義なしで使ってよい。
短いが、意味が十分に固定されている。
開発文脈で通じやすい操作語彙
さらに、開発作業では次のような短語が安定して使える。
開発文脈に入ると話は少し変わる。
「計画だけして、まだ実装はしないで」
「コードは書いていいけど、実行はしないで」
「ここまで確認したら、コミットしてプッシュして」
人間同士なら安全で丁寧な言い回しだが、AI相手では毎回長い。
そこで省略したくなる。だが、省略すると今度は事故が起きやすくなる。事故は避けなくてはならない。
このとき重要なのは、「どこまで省略できるか」ではない。
その省略が、共有された意味を持っているかどうかだ。
計画・設計
| 指示語 | 意味 |
|---|---|
| plan | 計画のみ |
| design | 設計のみ |
| no code | 実装しない |
実装・実行
| 指示語 | 意味 |
|---|---|
| impl | 実装してよい |
| run | 実行 |
| no exec | コマンド実行禁止 |
| simulate / dry run | 模擬実行 |
Git操作
| 指示語 | 意味 |
|---|---|
| commit | コミット |
| push | プッシュ |
| commit & push | コミットしてプッシュ |
ここまでは、省略しても意味が崩れにくい領域だ。
それでも、定義した方がいい省略語がある
問題になるのは、「便利だが、慣習が弱いもの」だ。
わたしの場合はgitへのcommit & pushを毎回「コミットしてその後プッシュしてください」と書くのはおっくうなので、「c&p」と略して指示している。
ただ、これは一般的な略語ではないため、AIに理解してもらうために事前に定義して使っている。
事前に定義しておくと楽な省略語(最小セット)
以下は、あったら便利だが、定義なしでは不安定になりやすいものだけを集めた例だ。どんな定義にすべきかは人によって違うだろう。
操作語彙(事前定義):
- c&p = commit & push
- impl-only = 実装のみ(実行しない)
- no-push = commit はOK、pushは禁止
- plan-only = 計画のみ(設計・実装・実行しない)
- ok-to-run = ここから実行フェーズに入ってよい
数は5つ程度にとどめた方が良い。
これ以上は増やさない。
最後に、自分で自分で省略語を定義するためのコツをまとめてみる。
まず、自分がAI相手に毎回長く書いている指示を洗い出す。
次に、それが本当に省略に値するかを考える。頻度が高く、誤解されると困るものだけを残す。
最後に、定義する省略語は5つ程度に抑える。忘れちゃうので、欲張らない方が良い。実際頻繁に使う少数に絞った方が良い。
これらの省略語を使いこなせるだけで、AIとのやりとりがとっても楽になるので、ぜひ試してみてほしい。

小学生のとき真冬の釣り堀に続けて2回落ちたことがあります。釣れた魚の数より落ちた回数の方が多いです。
テクノロジーの発展によってわたしたち個人の創作活動の幅と深さがどういった過程をたどって拡がり、それが世の中にどんな変化をもたらすのか、ということについて興味があって文章を書いています。その延長で個人創作者をサポートする活動をおこなっています。