吸水タオルは進化した。しかし、その使い方は昔のままで語られている──拭き上げを速く、安全に終わらせるための運用設計という考え方

現在主流となっている洗車の拭き上げ用の大判吸水タオルは、途中で何度も絞りながら使う道具ではない。レビューなどをみていると、「絞りにくい」と書いているひとがとても多い。でも吸水タオルって今は絞って使うものではなくなってるのではないか。必要な大きさと枚数を準備し、水を効率よく管理するという発想にアップデートすることで、拭き上げはより速く、安全で、楽な作業になるはずです。

吸水タオルのレビューを見ていて感じる違和感

洗車用の吸水タオルのレビューを読んでいると、「絞りにくい」という評価を非常によく見かける。

もちろん、水を大量に吸ったツイストパイルの大判タオルは、実際に絞りにくい。これは事実である。

しかし、私はこのレビューを見るたびに少し違和感を覚える。

そもそも、その吸水タオルは、本当に途中で何度も絞って使うことを前提とした道具なのだろうか。

この問いが、この記事の出発点である。

道具は進化した。しかし、使い方は昔のままである

一昔前の洗車では、小さめのセームやマイクロファイバークロスを使い、濡れたら絞り、また拭くという方法が一般的だった。

つまり、「タオルは途中で何度も絞るもの」という前提で洗車が行われていた。

しかし現在は状況が大きく変わっている。

ツイストパイルをはじめとする大判の吸水タオルが普及し、一枚で車一台の大部分を拭き上げられるようになった。

つまり、道具が変わったのである。

ところが、その使い方については、昔の発想のまま語られることが少なくない。

その結果、「絞りにくい」というレビューが数多く書き込まれ、それを読んだ人も「吸水タオルとは、絞りながら使うものなのだ」と認識してしまう。

私は、この認識は現在の洗車事情とは少しずれているように思う。

拭き上げは、水を減らすところから始まる

吸水タオルの性能ばかりに注目されるが、本当に重要なのは、タオルを使う前にどれだけ水を減らせるかである。

まずおすすめしたいのが、洗車ノズルを整水、あるいは水がまとまりやすいシャワーに切り替えることだ。

そして車の上から下へ向かって、水を押し流すようにすすぐ。

水滴を一つひとつ残すのではなく、水の膜としてまとめて落とすイメージである。

この工程だけで、ボディに残る水滴は驚くほど減る。

つまり、吸水タオルが処理しなければならない水の量そのものを減らせる。

ブロワーは万能ではない

ここでブロワーを使う人も多い。

もちろん便利な道具だが、広いボディ全体をブロワーだけで乾かそうとすると、思った以上に時間がかかる。

ルーフやボンネット、ドアのような広い平面は、大判の吸水タオルで拭いてしまった方が速い場合が多い。

一方で、ブロワーが本当に力を発揮するのは細部である。

サイドミラーの付け根。

ドアハンドル。

グリル。

エンブレム。

モール。

こうした隙間には水が残りやすく、洗車後もしばらくすると水が垂れてくる。

ここだけはブロワーの方が効率がよい。

ブロワーはタオルと組み合わせる

ブロワーを使うときは、一つ意識するとさらに効率が上がる。

水が出てくる場所に、あらかじめ吸水タオルを添えておくのである。

例えばサイドミラーの付け根に風を当てると、中に残っていた水が勢いよく飛び出してくる。

何も考えずに風を当てると、その水が乾いたドアへ飛び散ってしまう。

そこで出口にタオルを当てておけば、水だけをその場で回収できる。

ちょっとした工夫だが、二度拭きを減らせる便利な方法である。

一周目は細部を追わない

拭き上げで時間がかかる人は、最初から細部まで完璧に拭こうとしていることが多い。

しかし、一周目の目的は車全体を乾かすことである。

ルーフ。

ガラス。

ボンネット。

ドア。

リアゲート。

まずは広い面だけをテンポよく拭き進める。

ミラーの下から水が出てきても気にしない。

エンブレムの隙間も後回しでよい。

細部は二周目でまとめて処理すればよい。

このように工程を分けるだけでも、焦らず効率よく作業できるようになる。

絞るのではなく、交換する

現在の大判吸水タオルは、一枚だけですべてをこなそうと考えるよりも、必要な枚数を準備して運用した方が合理的である。

吸水力が落ちてきたら、途中で無理に絞るより、新しいタオルへ交換する。

洗車が終わったら、まとめて洗濯する。

この方が作業は止まらず、仕上がりも安定する。

だから私は、吸水タオルを選ぶときに「絞りやすさ」はあまり重要視していない。

それよりも、十分な吸水量、扱いやすい重量とサイズ、そして自分の洗車方法との相性の方が重要だと考えている。

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吸水タオルは、この数年で大きく進化した。

しかし、その使い方やレビューの基準は、昔の洗車方法を引きずっている部分がまだ残っているように感じる。

もちろん、状況によっては途中で絞ることもあるだろう。

業務用途や大型車では事情も変わる。

それでも、一般的な個人の洗車であれば、「絞りながら使う」という発想から離れ、「水を減らす」「工程を分ける」「必要なら交換する」という運用へ切り替えた方が、作業はずっと楽になる。

道具の性能だけを比較するのではなく、道具をどう運用するかまで含めて考えること。

それが、吸水タオルを本当に使いこなすための近道ではないかと、私は考えている。

(了)


深水英一郎

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